「好き」を起点にブランドを創造する集団
BRAND DEVELOPMENT COMPANY
ボードメンバー 小島 和志
大学卒業後、フリーランスのグロースハッカーとして上場企業を中心に事業改善に携わり、2016年4月創業期の3rdにジョイン。ブランドマネージャーとして10以上のブランド立ち上げ、グロースを担当。現在は新領域での新規事業の探索に尽力。
新規事業マネージャー 中田 小百合
新卒で大手モール運営会社のプロモーション部に入社、自社メディアの立ち上げやSNS運用などプロモーション全般業務に従事。退社後、前職での経験を活かしたブランドマネジメントを目指し3rdに入社。ブランドマネージャー等を経て、現在は新規事業の立ち上げに尽力。
小島 :僕は3rdの創業期に3人目としてジョインしました。入社前は個人で様々なビジネスを立ち上げては試すことを繰り返していて、その中でグロースハッカーとして活動していた際に、創業メンバーと出会い声をかけてもらいました。
当時の3rdはコンサルティングの事業運営をしており、そこで僕は3年間ほど様々なクライアントの案件を経験しました。2019年頃に3rdが現在の事業にガラッと方向性を転換してからは、新規ブランドを複数立ち上げ、ブランドマネージャーというポジションを創り、日々仮説検証をしていました。数年かけて3rdの勝ちパターンが見えてからは、徐々にブランドを引き継ぎ、現在は新領域での新規事業の開拓に注力しています。
中田 :私は小島の次の入社で、4人目のメンバーとして3rdにジョインしました。入社前はECモール事業を展開する企業で、MDや販促、CMなどマーケティング全般を経験していました。私の入社当時の3rdは、小島が話すようにブランド事業への転換をはじめた頃で、私はブランドマネージャーの経験を積んできました。現在は、新規ブランドの立ち上げに注力しており、もう一人のメンバーと一緒に3〜4ブランドを並行で動かしています。
小島 :「何事もやってみること」は3rdのブランド運営においては重要な要素の一つになっていると思います。現在のブランド事業では、いろいろな手法や施策を試していく中で、「勝ちパターン」を見つけることができました。広告の出し方や売り方ひとつとってみても、よくある方法に安住するのではなく、さまざまな試行錯誤をした結果、いまではあまり他社でやっていないようなアプローチで成果を出してきました。
既存事業でも新規事業でも、最初の仮説通りにいくことは珍しいですし、当たる仮説にたどり着くまで様々なことを試してみる。その姿勢によって思いがけない発見もあり、その積み重ねで今の事業があると感じています。
中田 :個々人の視点で言えば「主体性を持って動くこと」も重要です。小島の話にもつながりますが、トライアンドエラーも誰かにやらされるのではなく、自分の意思で仮説を立てて検証を重ねていく。自分の意志なく動くようなことはなく、各々が自分で考えて日々の事業と向き合っていると思います。
とはいえ、それには選択と集中も不可欠です。例えば私の担当する新規事業では、限られたリソースの中で複数事業を並行して動かしているので、全てをやりきるのは当然難しい。その中でも芽が出そうなものを見抜きながら、ぐっと集中するような動き方が大事だと思います。
かつ「やってみること」も「主体性を持ってうごくこと」も経営やマネジメント側から“こうしましょう”という号令をしたり、考え方をインストールするようなことはなく、みな自然とチームでのコミュニケーションの中で実践できるようになっているものです。
小島 :3rd全体として、メンバーに「こうしてください」というような動き方をすることはこれまでなかったかもしれません。創業期からいるメンバーが自然とそういった動き方や価値観のもとで事業運営をしてきているので、チームとのコミュニケーションや関係性の中で、自然とそうした価値観が根付いてきているのだと思います。
小島 :最初は、ブランド事業への転換を考える中、代表の川村との議論から生まれました。
将来的に社会がどのように変わっていくかを考えていたのですが、当時はメタバースなどバーチャル空間での人の活動が着目されるようになり、コロナ禍もあってオフライン以上にオンラインでの関係性が強まっていた時期。そうした環境から考えると、人々は“物質的なもの”から“心を動かす何か”により価値を感じるようにシフトしていくのではないか——と考えるようになりました。それが情緒的価値であり我々の考える“ブランド”なのです。
実際、我々が現在主力とするファッションの領域は、まさにお客様の心を動かすもの。「かわいいを売っている」じゃないですが、お客様のそうした心を動かす体験を売っているというのは間違いではありません。ポップアップイベントなどで実際にお客様の姿を目の当たりにして、その実感はより強くなっています。
中田 :その情緒的価値を数値化して判断したりグロースさせていることは3rdの特徴だと思います。ブランドというと、先ほどの「かわいい」を突き詰めるようなものに思えるかも知れませんが、誰かが思う「かわいい」だけではビジネスは成立しません。人の心をしっかりと動かし、購入してもらってはじめてビジネスとして成り立つ。だから、どれだけ心を動かせているかを定量でしっかりと把握し、それをどうやって最大化するかを様々な側面から考え、実行する。その点、いわゆるブランドとは少々イメージが異なると思います。
小島 :ブランドのあるべき姿から始めたわけではないところが、3rdのよさだと思っています。数字を見て、お客様が喜んでくれているかを定量的に判断し、そのお客様の反応から「ブランドとはこうだ」という話を深めていく。その結果としてブランドができているんです。
中田 :数字を通してお客様との対話をしている感覚です。普通のブランド作りは世界観から始めることが多いと思いますが、3rdでは数値ベースで判断し、ブランドによってはその数値起点で系統をガラッと変えることもあります。自分たちが作っているブランドを良い意味で信用しすぎず、何が受けいれられているかを大事にしているんです。
中田 :現在私が担当しているのは、ファッション以外の領域、一例をあげると、美容などのブランド立ち上げです。セグメントが細分化するファッションより、多くのお客様に愛用いただける可能性のある領域で、次なる事業の芽を探っています。
従来のファッションよりも顧客のニーズや反応が異なったり、常に新商品を投入できるわけではない分、試行錯誤は必要ですが、腰を据えた挑戦ができると感じています。ここで、新たな勝ちパターンを見つけたいですね。
小島 :僕が担当している新規事業では、もっと遠い分野です。AIの発展により社会や人がどのように変化し、そこに求められる事業は何か——と考えています。テクノロジーが発展し、社会や人が変われば、情緒的価値のあり方も変わっていく、その変化に対応し、人が変わっても変わらず提供できる価値とは何かを探り、事業にしようとしています。
例えば、デジタルファッションやアバターを着飾る世界が来た時に、物理的な服ではなくアバター向けのブランドを作ることが必要になるかも知れません。AIで日々の変化が激しい中で、例えば占いのように数千年前から人がやり続けているものは変わらないかもしれません。まだまだ探索段階で具体化までは至ってないですが、よりスパンの長い未来を見据えた事業をつくっているかたちです。
小島 :「生態系」のように広がり続ける会社を作っていきたいと考えています。設計図に沿って計画的に作っていくようなものではなく、営みの中で偶発的に生まれて広がっていくような姿を描いています。
今は僕や中田が新規事業に取り組んでいますが、今後はボトムアップで、思いがけない新規事業が他のメンバーから生まれてほしい。そうした活動が次々と生まれ、うまくいかないこともあれば、うまくいくこともある。
それを積み重ねていくことで、3rd自体が変化し、10年後、20年後には今とは想像もしないものになっていく。そんな姿へ自然発生的になっていくことを目指したいと思っています。
中田 :今はファッションの分野でさまざまなブランドができているのも一つの生態系といえます。その根幹にある情緒的価値を生み出す経験や仕組みを武器に、もっと多様な領域に展開していきたいですね。根幹となる情緒的価値を重視する姿勢は共通するけれど、それ以外は様々な領域にアメーバのように広がっていけばと思っています。
小島 :生態系という言葉を使うのは、偶発性を重視しているからでもあります。これは川村が昔から好んで使っているものなのですが、何らかの設計図に基づいたものではなく、営みの中で偶発的に生まれたものが未来をつくる。そうした先の読めないものが、僕らの理想とフィットしているのだと思います。
未来の情緒的価値を提供するものが生まれ続ける場所でありたい。人が変わっても、国や世界のあり方が変わっても、そういう場所であり続けることが会社としてのあり方の理想像です。そのために常に対話をして結果を出し、お客様に受け入れられ続けるプロセスを大事にしていきます。
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