モノトーンでまとめたモードなデザインの服装に身を包み、
その話し方や佇まいも相まってか、どこか落ち着いた印象を与える川村。
しかし彼が口を開き始めると、“ブランド”という概念に対する並々ならぬ情熱があることに気づかされる。
それはまるで、見た目には穏やかだが温度がもっとも高いとされる、青白い炎のようだ。
そんな彼のブランドへの思いの原体験は、現在の同僚でもある編田(あみだ)と共に
アパレルブランドを運営していた20代のころにさかのぼる。
現在のD2Cブランドよろしく、オンラインを中心にブランドを展開していた当時の川村は、あることに気づいた。
それは、どんなにいいモノを作っていても、ブランド設計から物流まで、どこかに少しでもほころびがあれば、
その商品が消費者に届かないこと。そして、それにもかかわらず、こうしたブランドを総合的に支援するプレーヤーは存在していないこと。